③弓と禅の一考察(待つ)
4【放れ】p49~60
ヘリゲル博士は、1年の修業により、"精神的に"弓を引くことができるようになりました。
次の段階は「放れ」です。
放れとは、一杯に引き絞った弦を、指を伸ばして引き離すことを言います。
この放れが実に難しい。
親指を押さえている3本の指を開くこが、
"努力なしでは"できないのです。
努力とは、力みながら開くことを言います。力みは、放れの瞬間に衝撃を生み、射をぐらつかせます。
強い張力を支えている指は、そう簡単に開かないのです。
この放れを、少しの身体の動揺を伴わずにやってのける師範が、博士に言いました。
「待ちなさい。」
機が熟せば、指は"開かれる"というのです。
弓道は奥が深いです。
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